ドッグフードの袋の裏に、原材料が書いてあります。
わが家のフードを決めているのは、妻(動物看護師・トリマー)です。 だから私は、選ぶ責任を負わないまま、袋の裏を眺めていました。
見てはいたんです。ただ、意味を深くは分かっていませんでした。 カタカナが並んでいて、どれが良くてどれが良くないのか、判断のしようがなかった。
でも、見る場所が分かってから、袋の裏の景色が変わりました。
いまでも、全部を理解できているわけではありません。 ひと通り目は通したうえで、とくに注意して見ている場所がいくつかある、という程度です。それでも、袋を手に取ったときの気持ちがずいぶん変わりました。
この記事は、その「どこを見ているか」の話です。

この記事を読むとわかること
- 原材料の表示を、どこまで信じればいいのか
- ネットで調べた答えと、袋の中身が違った話
- 「ミール」という言葉の意味と、私の見方
- ミールは、悪いものなのか
- 私が実際に見ている、7つの場所
まず大前提。書いてあることは、信じる
いきなり土台の話をします。
私が妻に「原材料って、どこまで信じられるの?」と聞いたとき、返ってきた答えがこれでした。
「原材料表記は、書いてあるそのままを信じるしかないので、そうでないと何を信じればいいのか分からなくなる」
最初、私はこれをあきらめの言葉かと思いました。
でも、違いました。これは線引きです。
疑い始めたら、きりがありません。書いてある肉は本当にその肉なのか、書いていない何かが入っていないか——そうやって考えていくと、最後には何ひとつ選べなくなります。
原材料の表示は、法律で決められたルールに沿って書かれています。そして、私たち飼い主が自分の目で確認できるのは、そこだけです。
だから、そこを土台にする。 その上で考える。
この順番が、いちばん現実的でした。

書いてあることを、まず読むんだわん。
ネットで調べた答えと、袋に書いてあることが違いました
その「読む」を、私は最初、間違ったやり方でやろうとしました。
ブランド名で調べたんです。
AIに「ミールを使っているメーカーは?」と聞いてみました。すると、あるメーカーの名前が出てきました。 有名な、よく見かけるブランドです。
なるほど、と思いました。でも、念のため実物を確認してみたんです。
日本で売られている、そのメーカーの製品の原材料表示。
ミール、と書かれていませんでした。
もう一度AIに確認したところ、「不正確でした」と訂正されました。
理由も分かりました。同じブランド名でも、販売する国や製造地、時期によって、原材料や表示が違うことがあるんです。海外向けの製品に書かれていることが、日本で売られている袋にも当てはまるとは限らない。
私はこのとき、調べ方のほうが間違っていたと気づきました。
ブランド名では、答えは出ません。
⚠️ いま自分が買おうとしている、その袋を見るしかないんです。
私が最初に見るのは「ミール」の文字です
では、袋の裏で最初にどこを見るか。
「ミール」という文字があるかどうかです。
ミールとは、肉を加熱して粉末にしたもの(肉粉)のことです。
わが家は、ミールが入ったものは買っていません。 これはわが家の選択で、最終的に決めているのは妻です。 私はというと、フードをあれこれ見てみるのは半分は趣味みたいなもので、袋の裏を眺めては妻の邪魔をしながらあれこれ聞いています。
そして、「ミール」の文字を見つけたら、次に進みます。
「何の」ミールなのか。
| 書いてある | 分かること |
|---|---|
| チキンミール/ラムミール/サーモンミール | 何の動物か分かる |
| ミートミール/家禽ミール | 何の動物か分からない |
「ミートミール」は、哺乳類の組織から作られると決められています。でも、牛なのか豚なのか羊なのかは特定できません。 「家禽ミール」も同じで、鶏なのか七面鳥なのかは分かりません。
大事なのは、良いか悪いかを判定しているのではないということです。
分かるか、分からないか。 見ているのは、それだけです。

ぼくのごはん、なんて書いてあるかな?
ミールは、悪いものではありません
ここで、はっきり書いておきたいことがあります。
ミール=粗悪品、ではありません。
粉末なので水分が少なく、たんぱく質を濃縮して配合できます。 原料が粉の状態なので、フード全体の栄養設計を安定させやすいという利点もあります。加熱と脱水の工程を通るぶん、保存性も高い。
「安価で優れたたんぱく源」と説明されることもあります。理にかなった技術です。
そして、これは必ず書いておきます。
ミールが入ったフードを食べて、元気に暮らしている子は山ほどいます。
うちが選ばないからといって、それが正解だという話ではありません。この記事は、どの商品が良い・悪いを決めるためのものではないんです。

悪いってことじゃ、ないんだにゃん。
それでも、妻は選びません
そのうえで、妻の立場を正確に書きます。
「私はミールを否定はしない。でも、自分の子には食べさせない」
否定はしていない。でも、選んでいない。
理由を聞いたとき、妻は栄養の話をしませんでした。食べ物の話をしました。
「おいしいごはん、良いごはんとはなんぞや。良いものをそのまま食べることじゃないのかな」
そして、こう続けました。
「おいしい食材があって、1、はいこのまま乾燥させました。2、はい熱処理して粉末にしました。どっちが食べたい?って事なのよ」
私はこれを聞いて、自分の感覚で分かってしまいました。
⚠️ もうひとつ、妻の言葉を、温度を変えずに書いておきます。
「いいものなら、わざわざミールにしないと思う」
これは「思う」です。 断定ではありません。妻の見立てであって、証明された事実ではないので、そのまま書いておきます。
ほかに、私が見ているところ
ミールの話ばかり書きましたが、見ているのはそこだけではありません。
私が実際に見ている場所を順に並べます。
①「総合栄養食」と書いてあるか
正直に書きます。私はこの言葉を、記事の中で説明したことがあります。 それなのに、自分が袋を手に取ったときに、そこを見ていませんでした。
もっと言うと——ドッグフードが並んでいる場所で買えば、それで生きていけるものだと思っていました。全部が総合栄養食だと思っていたんです。
ずいぶん前に、妻に言われたことがあります。
「おやつだけじゃ生きていけないからね」
そのときの私は「そりゃあそうだろう」と思っただけでした。言葉は聞いていたのに、意味が分かっていなかったんです。いま思うと、妻は分かっていて言ったのかもしれません。
「総合栄養食」と書かれていないもの(一般食・副食など)は、それだけで毎日の主食にはなりません。
②原材料の並び順
上に書いてあるものほど、量が多い。 これは何年も前に妻に教わりました。
だから、動物性の原材料が上のほうにあるかを見ます。
③穀物が、どのくらい上にきているか
穀物が悪いという話ではありません。どのくらいの割合で使われていそうかの目安になります。
④粗たんぱく質の数字
ここも正直に書きます。私はずっと「高いほうがいい」と思って見ていました。それは違いました。
濃ければいいわけではなく、その子に合うかどうかでした。これは別の記事に書いています。
⑤「動物性油脂」の種類
これも、何の動物のものか書かれていないことがあります。 気にするようになったのは最近です。
⚠️ たとえば鶏にアレルギーがある子の場合、「動物性油脂」としか書かれていないと、避けようがありません。 種類が書いてあるかどうかは、その子によっては、けっこう大きな差になります。
※アレルギーが疑われるときは、自己判断せず、かかりつけの先生に相談してください。
⑥原産国・製造国
必ず見ます。
⑦賞味期限と、内容量あたりの値段
相場の感覚を、自分の中に持っておきたいからです。
それと、普段使いにできるかどうか。 毎日のごはんは、何年も続くものです。だから、続けられる値段かどうかは、けっこう大事な条件になります。
この話をしたとき、妻がこう言いました。
「すごく高いフードは、普段使いには高いのよ。普通の人が、あんなに高価なものはなかなか買えないと思うの」
そして、こう続けました。
「私たちは、犬の仕事をしている人や、競技をしている人たちを近くで見てきているから、少し慣れているかもしれないけど、やっぱり普通じゃないのよ。何か特別な理由や目的がないと、当たり前には買えないよ」
監修してくれている本人が、「自分の感覚は普通じゃない」と言ったんです。
⚠️ ただし、「高いから買えない、で終わり」という話でもありませんでした。
そういう世界の人たちは、高価なフードを常に使います。 でも妻は違いました。
特別に必要なときだけ使う。 そういう付き合い方をしています。
毎日のごはんとして続けられるか。それとも、必要なときのために持っておくか。
同じフードでも、置き場所が違うわけです。
だから私は、うちにとって無理のない値段かどうかを見ます。中身と同じくらい、大事な条件だと思っています。

最後は、「誰が作っているか」を見る
ここまでは、袋に書かれた表示の話でした。
でも、原材料をひとつずつ採点していくやり方には、限界があります。
世界小動物獣医師会(WSAVA)は、飼い主さんがメーカーにこう聞くことをすすめています。
- 栄養学の専門家がいるか
- 誰がレシピを設計しているか
- どの工場で、どんな品質管理をしているか
- 栄養成分やカロリーを、きちんと示せるか
つまり、原材料の見た目だけで判断しないでください、ということです。
ですが私はメーカーに電話をしたことは、一度もありません。
でも、公式サイトを見れば分かることも多い、と知りました。
専門家の名前が出ているか。どこで作っているか。栄養の数字を出しているか。サイトを開いて、これがあるかどうか見るだけでも、ずいぶん違います。
⚠️ 逆に、問い合わせ先すら書かれていないもの、「無添加」「ヒューマングレード」「グレインフリー」だけが大きく書かれていて、栄養の設計が分からないものは、私は慎重に見ます。
結局、どこまでを自分の基準にするか
この記事を書くにあたって、妻がこう言いました。
「私が良いと思わないからって、無理にミールを否定した記事を書かなくっていいんだからね。最終判断はあなたがしてね」
監修してくれている本人が、自分の意見を記事の結論にするなと言ったんです。
だから、自分で調べて、考えてみました。
ミールを使う人を否定する気には、なりませんでした。 値段のこともあります。総合栄養食なのだから、ミールが入っていても問題はないはずです。
……ここまで書いて、気づきました。
これ、妻と同じでした。
否定はしない。でも、自分の子には選ばない。
結局、私は妻の考え方を参考にしたいんだと思います。長年積み上げられてきた信頼があり、そのほうが、しっくりくる。
このブログは、素人の私が妻に教わりながら書いています。 それを今さら変えるつもりはありません。妻が「最終判断はあなたがしてね」と言ってくれた、その判断が「妻の考え方を採る」でも、いいのだと思います。
そのうえで、書いておきます。
動物の種類が書いてあるミールなら問題ない、という考え方もあります。妻は避けます。
どちらが正しいか、ではありません。どこまでを自分の基準にするか、です。
そして、書きながら気づいたことが、もうひとつあります。
妻が信じているのは、「書いてあること」です。書いていないことまでは、確かめようがないから。
一見すると、矛盾しているように見えました。「表示は信じるしかない」と言いながら、種類の分からないミールは避ける。
でも、矛盾していませんでした。
確認できる範囲は信じる。確認できない範囲は、判断材料にしない。だから、確認できる範囲が広いほうを選ぶ。
疑ってもいないし、鵜呑みにもしていない。
——ここまで書いて、思いました。
私は今まで、本当に何気なく、うちの子たちと過ごしてきたんだな、と。
でも、後悔しているわけではありません。その時間があったから、いま妻に聞きたいことが次々に出てくるのだと思います。知りたいことは、一緒に過ごした時間の中からしか出てこない気がするんです。
袋の裏は、ずっとそこにありました。そこまで深く考えて読んでこなかっただけでした。

決めるのは、きみだよ。
⚠️ この記事は、特定の商品やメーカーをすすめたり、否定したりするものではありません。持病がある子や療法食を食べている子は、フードを変える前にかかりつけの先生に相談してください。
犬と猫のごはんの話は、この5本で書きたいことをぜんぶ書きました。




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