わが家の犬、く~は食いつきが悪い子です。
出したごはんをじっと見て、食べない。しばらくして食べる日もあれば、そのまま残す日もある。それが何年も続いているので、私はすっかり慣れてしまっていました。「また今日も気分じゃないのね」くらいの感覚で。
でも、動物看護師でトリマーの妻に聞いてみたら——猫と犬では、待っていい時間がまったく違うと言われました。
この記事を読むとわかること
- 猫が食べないときの、危ないライン
- 犬は、何日まで様子を見ていいのか
- 「好き嫌い」と「調子が悪い」の見分け方
- 食べないときに、家でできること
- 病院に行く目安

猫は、待たないほうがいい
まず、猫の話から書きます。ここがいちばん大事だと思うので。
妻に「猫が食べない日が続くとまずいの?」と聞いたときの返事が、これでした。
「これは大問題。猫は気まぐれって思われてるけど、ごはんだけは別」
「1日でも食べなかったら、重症だと思ってすぐに病院に行ったほうがいい」
——1日、です。
調べてみると、猫には肝リピドーシス(脂肪肝)と呼ばれる病気があるそうです。食べられない状態が続くと、体は脂肪をエネルギーとして使おうとします。そのとき、大量の脂肪が肝臓に運ばれて処理しきれなくなることがある。とくに太り気味の猫で起きやすいと言われています。
つまり、「そのうちお腹が空けば食べるでしょう」が、猫では通用しないということでした。
調べていると「何時間までなら」という目安も出てきます。ただ、食べない時間が延びるほど、危険は上がっていくもので、二日、三日と続けば、それはもう緊急に近い状態です。
そして妻の線引きは、そのどれよりも手前にありました。
1日。
猫の場合、待つ理由がないんだと思います。 空振りなら、それでいいのですから。
⚠️ 子猫、高齢の猫、持病のある子、痩せている子、そして太り気味の子は、もっと早く。
そして、食べないことに加えてこれがあったら、その日のうちに。
ぐったりしている/水も飲まない/よだれが多い、口を痛がる/嘔吐や下痢が続く/呼吸が苦しそう/白目や歯ぐきが黄色い/急に体重が減った

ぼくがごはんを食べないときは、のんびり待たないでほしいにゃ。
犬は「その子による」——うちの2頭で、まったく違いました
では犬はどうなのか。妻の答えは、こうでした。
「いつもと同じ答えだけど、その子による」
そして、うちの2頭の話をしてくれました。
- く~は、1日食べなくても大丈夫
- はるは、1食でも食べなかったら、その時点で必ず病院に連れて行っていた
同じ家の、同じように育てた2頭で、基準がまったく違う。
理由は、それぞれの性格でした。
「はるは、調子が悪いとごはんを食べない子だから。く~は、食べムラがある子だから」
——つまり、「犬は何日まで大丈夫ですか?」という質問には、答えがないんです。
その子の”食べない”はどういう事なのかによって、意味がまったく変わってしまう。
そして妻は、こう続けました。
「私は、はるもく~も、調子が悪いと”調子が悪いんです”って顔をするので分かるよ」
「これも、普段から見てると分かると思うんだよね〜。よく見てあげることかなぁ」

ぼくは調子が悪いと、ごはんを食べなくなる子だったんだわん。だからママは、すぐ病院に連れて行ってくれたんだわん。
一つのサインでは、決まらない
「調子が悪い顔って、具体的にどこで分かるの?」
そう聞いてみたら、返ってきたのはチェックリストではありませんでした。
「例えば、下痢してるけど、問題はそれだけで元気そうだな、とか」
「下痢してる、元気ないな、寝てばっかりだな、目がいつもよりしっかり開いてないな、とか」「一つで判断するんじゃなくて、色々見て、総合的に判断するんだよ」
同じ「下痢」でも、判断がまったく違うわけです。
- 下痢だけ。あとは元気 … 様子を見られる
- 下痢+元気がない+寝てばかり+目の開き方がいつもと違う … 病院
「これがあったら病院」という一本の線は、たぶん引けない。組み合わせと、いつもとの差で見るしかない。
とくに私が「なるほど」と思ったのが、「目がいつもよりしっかり開いてないな」でした。今日から見られるサインだと思います。
そして妻は、最後にこう言いました。
「だから、毎日よく見てあげるんだよ、そうすれば調子の悪い顔もわかるようになるから」
「好き嫌い」と「調子が悪い」は、見れば分かる
いちばん聞きたかったのは、ここでした。うちの子は病気なのか、それともただのわがままなのか。
妻の答えは、あっさりしていました。
「これ、好き嫌いか、調子が悪いかは、見ればわかるよね」
「普通の飼い主さんも、ちゃんと見てればわかると思うよ、普段から一番よくその子をみてるんだし」
これは「なんでわからないの?」という意味ではなく、「あなたにもできるよ」という意味だと、妻は言っていました。
「飼っている期間が長くなればなるほど、もっと分かるようになる。初期でも何となく分かると思う」
そして、この記事でいちばん書きたかったのが、次の一言です。
「おかしいなって思ったら、その自分の感覚を否定しなくていいのよ」
「それで病院に連れて行って、何もなかったら、それでいいんだから」
——たぶん、私たちがいちばんつまずくのはここなんだと思います。
「気のせいかもしれない」「大げさかもしれない」「先生に笑われるかもしれない」
そう思って、様子を見てしまう。
でも、空振りでいいんです。何もなかったら、それが一番いい結果なんですから。
食べないとき、わが家がやっていること
【実体験】く~が食べないとき、わが家ではこんなことをしています。
- 亜麻仁油を軽く噴霧する(これで食べることが多い)
- 水でふやかす
- お湯をかけて、香りを出す
その時によって、食いつきは変わります。 効く日もあれば、効かない日もある。
油を足すことについて妻は「良質の油分なので、そんなに気にしていない」と言っていましたが、これはわが家のやり方です。カロリーや脂質のことがあるので、気になる方は先生に聞いてみてください。
そして、ここで気づいたことがありました。
「ふやかしたりトッピングして食べるのは、あまり好きじゃないごはんのとき」
「食べるごはんは、ドライフードのままでも食べる」
つまり、手を加えないと食べないごはんは、そもそもあまり好きではないということ。
⚠️ちなみに、頻繁にトッピングを変えていると「待てば、もっといいものが出てくる」と学習して、余計に食べ渋る子もいるそうです。
ただ、妻はこうも言っていました。
「でも、好きではないごはんだとしても、お腹が空いてどうしようもなくなったら最終的には食べるよ」

ぼくはごはんにはちょっとうるさいんだ〜。でも、おいしそうなにおいがすると、けっきょく食べちゃうんだ〜。
そもそも、出しっぱなしにしない
ここまで「食べないときにどうするか」を書いてきましたが、じつは妻には、その手前のルールがあります。
「ごはんを出して、しばらく待っても食べなかったら、片付けるようにしてる」
私は「出しっぱなしにしておいて、いつか食べてくれたほうがいいんじゃないの?」と聞きました。返ってきた答えが、これでした。
「いつでも食べられるって思ってほしくないのよ。”今食べないとなくなるよ”ってことを覚えてほしいの」
でも、これは行儀の話ではありませんでした。
「何かあったときとか、食べてほしい時に食べてくれるのと、食べてくれないのとでは、全然違うのよ」
お出かけのとき。慣れない場所にいるとき。そして——災害のとき。
さらに、こうも言われました。
「それこそ、療法食を食べてくれなくなったら困るでしょ」
わが家のにゃん太は、結石の療法食を食べています。もし「気が向いたときだけ食べる」子だったら、必要なときに、必要なものを食べてもらえない。
普段の”出したら食べる”が、いざというときの選択肢を残してくれる——そういう話でした。
必要な時にキャリーにすんなり入れるかどうかと、同じなのかもしれません。
ただし、犬と猫では時間が違います
⚠️ここで大事なことがあります。
片付けるまでの時間は、犬と猫で同じではありません。
妻いわく、にゃん太のときは、はるやく~のように短い時間ではなかったそうです。
「猫は食べないといけないから、もう少し時間的猶予があった」
この記事の前半に書いたとおり、猫が食べないのは、それだけで大ごとです。だから「食べないから、時間が経ったら下げる」を猫にそのまま当てはめないでください。
⚠️これは「食べないなら放っておく」という話ではありません。習慣づけと、体の異変は、分けて考えてください。
ちなみに、にゃん太は食べなくて困ったことがあまりない子なので、正直なところ、わが家ではこのルールが出番になる場面は多くありませんでした。そういう子もいる、ということも書いておきます。
同じフードなのに、食べなくなることもある
もうひとつ、うちで実際にあった話です。
く~はいま、あるメーカーのフードを続けているのですが——同じメーカーの中で、レシピ(味、種類)を変えたら食べなくなりました。
魚が主原料のものは食べていたのに、鶏や七面鳥のものに変えたら、食いつきが落ちたんです。
銘柄の問題ではありませんでした。 同じメーカーでも、中身が変われば、その子にとっては別のごはんなんですね。
それと、こんなこともありました。
先日、家族で1泊の旅行に行きました。く~太は、いつもお世話になっている訓練所でお泊まり。帰ってきたら、気持ちがゆるんだのかずっとごろごろ寝て、しかも「好みじゃないほうのドライフード」をバクバク食べていました。
食いつきが悪い子なんじゃなくて、余裕があるときは選ぶ子なのかもしれない、と思いました。
口の中が、痛いのかもしれません
食べなくなる原因は、フードの好みだけではありません。
腎臓の病気、膵臓の病気、ストレス、環境の変化——いろいろあるそうですが、歯や口の痛みも、その一つです。
猫の歯みがきについて妻に取材したとき、こう言われました。
「飼い主さん、普段は猫の口の中なんて、まず見ないよね」
「ごはんを食べなくなることが、まず発見の第一歩。動物病院に行って”口内炎ですね”って言われる。これが一番よくあるパターンかな」
食べないことが、口の中の異変を知らせていることがある、ということでした。

迷ったら、行っていい
最後に、もう一度だけ妻の言葉を置いておきます。
「おかしいなって思ったら、その自分の感覚を否定しなくていいのよ」
「それで病院に連れて行って、何もなかったら、それでいいんだから」
猫なら、一日でも。犬なら、その子がふだんどういう子か。
でも共通しているのは、「いつもと違う」に気づけるのは、毎日そばにいる人だけだということでした。
マニュアルより、あなたの「なんか変だな」のほうが早い。 それが、今回いちばんの発見でした。

ぼくたちは「痛い」って言えないにゃ。だから、見ていてほしいにゃ。
犬と猫で、そもそも必要な栄養が違う話は、こちらにまとめています。






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